出張専門であるということ [日記]

開業当時、一時期出張専門でしていたことがありました。

一回当たりの治療費(出張料含む)は、6000円~10000円ぐらいが相場かな、と思います。

果たして、この料金設定で、どれだけの患者さんが継続できるのでしょうか。

一回限りの治療で完治するということは皆無。

つまりは、週に数回、それを数カ月或いは数年間は継続して治療を受ける必要がある。

中には、それでも構わないという患者さんも居ますが、極々少数です。

殆どの患者さんは、このプランに対応できない。



他のホームページやブログを拝見していると、現行の医療制度に満足出来ない患者さんのための施設が多く見受けられます。

それ自体には何の不満もありませんが、その枠に入ることのできる患者さんは、ほんの一部ではないかと思っています。



料金の壁



決して安価な施術費用ではありませんから、その時点で患者さんを選抜していることになります。

そして、そういうビジネスは成立します。

上手く行く確率も高い。



じゃあ、自分もそういうスタイルに統一する方が、良いんじゃないか?と思う時もあります。

実際、患者さんの多くは、対価以上の施術を受けている。

その事に関しては、自分の中では、『慰安』と『治療』という概念で分けています。



選ばれた(?)患者さんだけを限定的に治療する施設。

公的であるという事は、何なのか?



治療院という箱がある場合は、(来る来ないを)患者さんが選ぶことが出来ます。

往診の場合は、それが少し難しい。

一度、現状を診てしまうと、こちらとしても引くに引けない状況になってしまいます。



現況の医療・介護保険を見放して独自の路線を行くか、それとも今ある状況の最善策を模索し続けるか。



高級料亭に入る時、僕には勇気が要ります。

分相応かどうか、その点も気になりますが、それは自分の努力次第です。

そういうお店は、それ相応のマナーを要求されると思うからです。

しかし、最高級の御持て成しを受ける事が出来る。

気軽に入れる居酒屋さんも好きです。

居心地の良さは、どちらも甲乙つけがたい。



一定の水準を保つためには、どっちも!という訳には行かなくなります。

しかし、医療とは、そういうモノでいいのだろうか…、という疑念は消えない。
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きりたん

少なくとも、国立、県立、市立の医療機関は、
公的な場所ですべての人が等しく治療を受けられるようであるべきかと思います。
医療法人の大きな総合病院なんかもそうかなあ。

そういう所は、待つ時間が長いとか、あれこれの評判で、患者が選別していますね。
反対に、ご近所の耳鼻科は予約がなかなかとれなくて、待たされるってことは、私立の医院だって選んでいる。
すぐに診てほしかったら、別の所へ行くしかないから。

一人で全部をする訳に行かないから、
やはりどっちかを選ぶしかないですよね。
by きりたん (2012-06-17 20:37) 

kaya

> きりたん 様

コメント有難う御座います。

全ての人。

その場合の『人』は、実は個人であるようで、実は個人ではなく、疾患(=人)を示しているのかもしれません。

人を対象とした医療と、疾患を対象とした医療。

アウトブレイク(集団感染)や事故などの外傷、不可抗力における疾患の発生の場合は、公的医療機関が最大限に機能を発揮するかもしれませんが、生活習慣病や介護問題、個人の体質によるものは、もはや等しく…という考え方では負いきれない、そういうふうに感じる時があります。
by kaya (2012-06-17 23:09) 

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