やってきて、本当に良かったコト [日記]

在宅では、社会復帰は難しいのでしょうか?

往診を始めた頃の初めての問い。



まだ、往診事業を始めて間もない頃、ちょうど今のような梅雨時期でした。

二人目の患者さんは、脳梗塞の患者さんでした。

血気盛んなあの頃は、どうしてもリハビリがしたくて、それを急かしていたような記憶があります。

もちろん、上手く行く訳もありません(=_=)



それから、数か月して、また別の患者さん。

あれから、もう2年か3年か経ちます。

最初の頃は、ここが痛い、そこが痛いで、とにかく揉んで欲しいの一言でした。

二言目には、また同じ言葉。

(良くはならないという)結果は見えていたけれども、それでもお付き合い。

毎日毎日、その繰り返し。

最も苦手なパターンでした。



今日ね、嬉しかったことは、あれほどマッサージに執着していた患者さんが、自らの意志で

『こうやって、動いた(リハビリした)方が腰が痛くならない、先生、あのな、揉むのもえぇけど、やっぱ動いた方がぇと思う。こりゃ素人考えやけどな』…と。

自分から揉め揉め言ってた患者さんが、自発的にリハビリを始め、収拾がつかなくなるまで、歩いては、そのオリジナルのリハビリ(と言っても、先日、提案した方法なんだけど)を繰り返して

『えぇ汗かいた~』と言って、横になって休みました。



こうやって、自発的にリハビリを行うようになり、それを僕が監督するというのが、念願だったのかもしれません。

夫婦で向き合って、あ~だこうだと話し合いながら動きを確認している。

その光景を見て、何だか感慨深い気持ちになってしまいました。

ようやく、一歩前へ進んだように思います。



ここへ到達するまで、3年掛かりました。

長かったような、でも短かった。

濃縮された期間でした。



患者さんが望む望まないはありますが、ひとつの成功事例の一段階として、ここに記念したいと思います。

これぐらいの見返りがなきゃ、正直やってられません…というのは正直な感想です。

どうやったら立たせられるか、ではなくて

どうやったら立ち上がる気にさせられるか。

人の気持ちを動かすのは、さて何でしょう?
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きりたん

ほんとにねえ、そこなんですよねえ。
どうやったら、~する気にさせられるか。

大学だから、やる気のない学生さんはほっとけばよい、という意見もあるけど。
関わる期間はたった2年だけど、自分がやりたいことを見つけてほしいです。

by きりたん (2012-06-23 12:46) 

kaya

> きりたん 様

学生も患者も、あまり変わらないかも知れません。

真剣に治す気の無い患者は放っておけばいい…、そう言う事も出来ます。

しかし、自分の身体を知ることは、患者さんにとっても大切なことです。

こちらが真剣でなければ、何も伝わらない。

治ることの素晴らしさを伝えることも、医療者の努めだと思いました。

お節介と言われても仕方が無い…かな?
by kaya (2012-06-24 00:05) 

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