自費治療の意味 [日記]

十分な治療を受けたい。保険治療外の治療をしてくれる治療院を探している患者さんは大勢います。自費治療を行うと、一日に診れる患者さんの数は激減します。一人ひとりの患者さんに掛ける時間と技術を優先するためです。これはこれで有意義なことだと思うし、勤務時代から僕自身が望んでいたことではあります。しかし、実際やってみるとどうでしょう。確かに一部の患者さんにとってはメリットが多いですが、診察を断るケースも出てきます。出来る事なら多くの患者さんに良くなってもらいたいと願っています。

一人で出来る仕事量は決まっています。スキルを向上させたとしても限界が見えてきます。人ひとりが治療できる患者さんの数は決まっているのでしょう。だから教育を尊重し、より多くの優秀な人材を世に輩出する手法をとるようになる。或いは数人の従業員を雇うようになる。

店舗移転を切り出した時、ある患者さんに言われました。

『家賃、勿体無くないですか?』

確かに、一人で出来る仕事は決まっているので、収入はこれ以上増えることは無いと思います。恐らく、今が現業種の個人経営の限界だと思います。単に必要経費が増えるだけ。その経費が患者さんに還元されるなら良いかもしれませんが、それが治療費に反映されたりするとなるとあまり意味がありません。

今の治療院の形が、実は最も効率のよい理想形だったりするのかもしれません。個人的には改善の余地ありで、一部の患者さんとっても都合が良くなると思われます。

近江商人の言葉で、三方よしというのがあります。

売り手よし ・ 買い手よし ・ 世間よし
たとへ他国へ商内に参り候ても、この商内物、この国の人一切の人々、心よく着申され候ようにと、自分の事に思わず、皆人よき様にと思い、高利望み申さずとかく天道のめぐみ次第と、ただその行く先の人を大切におもふべく候、それにては心安堵にて、身も息災、仏神の事、常々信心に致され候て、その国々へ入る時に、右の通りに心ざしをおこし申さるべく候事、第一に候
他国へ持下り商いに出かけた場合は、持参した商品に自信をもって、その国のすべての人々に気持よく使ってもらうようにと心がけ、その取引が人々の役に立つことをひたすら願い、損得はその結果次第であると思い定めて、自分の利益だけを考えて一挙に高利を望むようなことをせず、なによりも行商先の人々の立場を尊重することを第一に心がけるべき である。欲心を抑え、心身ともに健康に恵まれるためには、日頃から神仏への信心を厚くしておくことが大切である。

もともと鍼灸治療は、保険では十分に効果を発揮するに至らないと思っています。3年続けてみた結果です。しかし、それが、真実かどうかを見極める心眼が僕にはない。なぜなら、たとえ短時間であっても、保険治療で十分な効果を期待できる可能性があるかもしれないと考えているから。実際には難しくて、患者さんのニーズも考慮すると、ゆっくりじっくり時間を準備する必要もある。
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