屋号

開業も間近になって、患者さんは挙って、『楽しみやね！』と言ってくれる。

のほほん…としているためか、内装が完成していないからか、なかなか実感が湧かない。

周りの人たちが忙しく協力してくれているのに、どうも加速が追いつかない感じ(=_=)



“茅”という文字を、次回の往診時の目印として、カレンダーに記入してくれる患者さんがいる。

今は肺炎のため、入院している。

夏には退院できるだろうか？と思案してみる。

お見舞いに、具合を伺おうと思うが、こういう時は迷惑になることもあるので控えている。



今週末から、螢の見頃が始まるらしい。

予報は曇り。

風が柔らかければ、乱舞が観られるかもしれない。



その患者さんの奥さんから、あるチラシをもらった。

『私がお見舞いに行った時にね～、これアナタにって』って。

入院して自分の身体の事もあるのに、“茅”というキーワードを覚えていてくれたんだと、ちょっと泣きそうになった。

その患者さんは、人の心を躍らせるのが上手い。

純粋に、人の夢が実現するのが楽しいんだろうな。

そうやって、多くの学生さんを教えてきたんだろうと思う。



粋だなぁ…。

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