施術者目線から、患者として。 [日記]

この数日、とある鍼灸整骨院に通っています。

実は、自分の身体のことは、よく分からないというのが本音です。もちろん、わかる部分もありますが、わからない部分もあるんです。人間ですから、仕方ないですよね?

とある鍼灸整骨院には、大学時代の後輩(直接の付き合いは無いけれど)が居て、僕は、この先生を高く評価しています(…と、書くと天狗になっているようにも聞こえますが、ここは敢えて評価していると書きます)。とにかく、よく勉強する先生です。所作のひとつをとっても、周囲への気配り、部下への配慮など、どれをとっても年下とは思えない活躍ぶりで、自分が恥ずかしく思えるほどです。だからこそ、安心して自分の身体を任せることが出来ます。一言付け加えておきますが、信頼できる医師やセラピストを見つけるのは、患者さんの権利であり義務(自己責任)でもあります。そこは努力が必要です。待っていても、向こうからやってくるなんていう希望的観測は持たない方が良いでしょう。

患者さんの立場になってというのもあるし、自分の鍼灸師としての素養も見定めるという意味でも、院内の活動を隈なく観察します。患者さんとは観察するところが少し違うかもしれませんが、3年近く経つと、ようやく仕事の気分が抜けて、リラックスして患者さん気分で治療を受けることができるようになったと思います。

ま、そんな中で自分なりに思った感想を。恐らく、患者さんの多くも感じている事だと思います。

一つ。待ち合い室で、入社一年目らしきセラピストが、患者さんに病態の説明、病院で治療を受けていると保険が利かないなどの説明をしています。それに聞き耳を立ててしまいました(ゴメンね)。患者さんの聞きたいことは、どういう事なのか?ということがまだ把握出来ていないように思いました(それは自分も同じことですけどね)。整骨院に通う患者さんにしてみれば、保険が利かないとこと自体、マイナス要素になることがあります。でもこの患者さんの場合は別だと僕は判断します。自費であっても、より良い治療を受けることが出来るならば、多少の出費は気にしない、そんなタイプの患者さんです。だから、回りクドイ誘導尋問的な説明は逆に不快感を与える場合があります。要するに儲けが目的だと思われるケースです。もちろん、僕の患者さんの生活状況なんかを考慮して多少のディスカウントはしますが…(時に赤字になります)。基本的には、患者さんの希望に一番近いプランを提案することにしています。かと言って、程度を落とすことは出来ないので、結局自腹を切ることになりますが。それは患者さんも解っていることで、逆に申し訳なく感じる患者さんには、負い目を感じさせてしまうこともあるかもしれません。最短最速で、最高の効果を出せればいいのですが、中々そうもいかない事の方が多いですね…。

二つ。人の手は感情をよく表します。その最たるものは愛情です。今日は残念ながら、期待していた先生ではありませんでした。勤務時間を把握していなかったからです。仕方なく?前に診て頂いた先生にお願いすることにしました。自己保身のため一応、現在の状況を説明します。実はこの時点で嘘をついています。あまり触られたくなかったからというのが理由です。正直に言いますが、僕は我儘ですから、自分の身体は大切にして欲しいと思います(たぶん全ての患者さんが同じように思っていると思います)。嘘をついたのは、症状についてです。痛くないと言いました。これは治療者を騙す一番イケない事です。治療行為自体を拒否していることですからね。良くなっている、と言いました。そうすれば、あまり手を加えないことを僕は知っています。鍼もしてもらいませんでした。そういう先生にびた一文払う気はありませんから!そういう意図を汲み取ってから知らずか、その(診てもらいたくない)先生の手は、(大変失礼な表現ですが)まるで粘土を混ぜるような手つきで僕の身体を捏ねくり回します。痛いとかそういう以前の問題で、診ていないのがよく分かります。そうなるだろうことも予見していましたので我慢します。今より悪い状態にならないように最低限の防衛線を張ります。次回に期待します。

三つ。患者さんの立場になって分かる事。沢山あります。僕の場合は、頑張っても多少なりとも医療者側の経験が加味されるので、正確ではありませんが。患者さんの嘘(という自覚が無くても本心を言わないことは稀にある)を見抜けないで、そのまま鵜呑みにするようでは、医療者としての素質は無いかもしれません。患者さんがこうだと言っても、正確な所見は必要です。患者さん自身が理解していない事の方が多いですから。理解していないというのは患者さんの立場になって初めて分かることです。やっぱり僕自身、自分の状態が分かりませんからね。担当制は賛否両論ありますが、やはり必要だと思います。その治療者を中心として、周囲の人間が相互に情報を共有し合う。それでも、その患者さんの事を一番知っている唯一の医療者は尊い存在です。自分ならそれを望みます。自分の事を誰よりも詳しく知っている事。誰もが望むことかもしれませんが、途方もなく難しい事です。もちろんその中には必ず見落としや誤診もあるでしょう。それでも構わない、そう思える先生が一人は欲しいものです。
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elm

手からいろんな事が伝わってきますね (^_-)-☆
by elm (2012-03-28 00:49) 

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