患者のせいにしちゃイケナイ [日記]

躓いた時…さてどうするか。


いつも同じ状況で治療やリハビリが出来る訳じゃない、残念ながら。

調子の良い時も悪い時もある。

調子の良くない時に、無理にリハビリしても、怪我のもとになるだけなので、方針を変更する必要もある。



患者さんにしてみれば、痛いところを揉んでもらうと楽になるというのが正直な感想だろう。

訪問リハでは、特にそういう傾向が強い。

無理にリハビリをして、歩かせても良い結果を生むとは限らない。

だったら、リスクを冒してまでリハビリするよりも、談話したり擦ったりするだけの方が無難だ…ということだ。

往診先の患者さんでは、そういう傾向が一層強い。

かと言って、マッサージだけを行っても、良くなる傾向は少ない。

寝たきりの状態を維持するだけに留まる。

これはこれで、まぁ悪いことではないのかもしれない。

歩けなくても、毎日の痛みを若干軽くしてくれるか、あるいは気が紛れる。



『腰が痛いの、先生の技術で何とかしてくれんか?』

と言う時、大概は揉んでくれという暗黙の了解がある。



断る。



希望通り、マッサージをしても構わないが、次第に効果が出なくなってくるのは明白だ。

最後には、痛くなくなるまで…というより、気が済むまで付き合わせる破目になる。

正直に言うと、時間の無駄だ。

それは僕にとっても患者さんにとっても同じだと思っている。

目先の利益に囚われて、目的を見失っている。

もちろん、高齢になれば余命も残り僅か、頑張ってリハビリしなくても良いのかもしれない。

しかし、今後も高齢者が増加するこの時代に、そんな悠長な事は言ってられない。

いま使っている高齢者の医療費や介護費用は、将来的に必ず自分の世代に返ってくる。

つまり、この仕事をすればするほど、自分の首を絞めることになるのかもしれない。

逆にそれは、怠惰に仕事をしているからという事に他ならない。

健康保険や介護保険を使うということは、施術者や治療者にとっては、ぬるま湯に浸かっているということに何故気付かないのだろう?

もちろん、本当に保険制度を必要としている患者さんは多く存在する。

その中で、患者さん自身が精一杯治るために努力している事実もある。

努力目標は必要で、可能な限り社会復帰することが期待される。

という、過酷な課題を強いているのが僕です。



医療保険を使う限り、少なくとも快復を前提に治療する事が必須。

『しんどい~』などと言う、甘えは許さない。

許さないという限りは、こちらも相応の結果を出さなければならない。

それが仕事だろう?



そんなに沢山の訪問リハの現場を知っているわけではないが、少なくとも患者さんが納得いくリハビリを受けている様子はない。

医療制度自体が、寝たきりからの回復を前提にしているとは思えないので、ここでチマチマ書いていても大して現状は変わらない。

やることをやるだけ。



(利用者の、やる気がないから、こっちもやらない)と言う、スタッフの台詞。

甘えるのも大概にして欲しいと思う。

やる気にさせるのは、誰の仕事だと思ってる?



僕のような若輩者が、何十倍も人生経験値を持つ患者さんに対して、恥も知らず話し続けている。

話している事は、真実ではないかもしれない。

でも信念だけは持っている。



患者のせいにしちゃイケナイ。

治らないのは患者のせいじゃない。

筋力が弱いからじゃない。

リハビリしないからじゃない。

やる気がないからじゃない。

全部出し切って、やれるとこまで遣り切って、それでもダメなら、その時は二人で泣こうと思う。
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きりたん

そうです。
大摩先生は正しいと思う。
by きりたん (2012-06-09 20:22) 

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