三年間の集大成まで、あと少し…? [日記]

リハビリは過酷を極める。

何度も挫折すれば、それだけ壁も高く感じる。

時には、奈落の底に堕ちてしまったかのような錯覚にも陥る。

しかし、立っているその場所は、皆と同じ大地の上。

いつでも、スタートすることが出来る!





この数日で、飛躍的な進歩を見せた患者さんが居る。

まるで、拘束具を取り払ったように、軽やかに歩く姿を見せる。

もちろん、片麻痺だから不自然さは残る。

何が彼をそうさせたのか…、皆目見当がつかない。

今までの努力の結晶?

そう言わせてもらえれば、有り難い。

(もちろん、その結晶は患者さんの努力で培ったものだ)

でも、それだけではないような神憑り的な何かがあるのかもしれない。

理屈だけでは到底知見出来ないような出来事。

僕は嬉しさのあまり、呆然と立ち尽くしてしまった。

『先生、次は何をしたらいい?』

返事が、直ぐに出てこなかった。

手摺りを握る手に、力強さを感じる。

確実に、握っている!そう思わざるを得ない。

曲がっていた背筋がピーンと伸びて、とても凛々しく見える。

目つきが違う、鋭い眼光。



何が、起こったんだろう?



ある日突然、コツを掴んだように出来るようになる…そういう事もあるかもしれない。

カルテを読み返して、いつもと違った事は何かと考える。

結論から言うと、たぶん鍼の効果だろうと思う。

今まで、リハビリのみで施術してきたが、それだけでは不十分な場面もあるのだろう。

(もちろん、リハビリの専門家じゃないから、適当な事は言えないけど)

三年間の集大成?とは、リハビリの効果が形になって現れ始めたということもあるが、僕自身の中では、鍼の実効に対する確信とでも言うべきか。

ちなみに、使用した鍼は、刺すための鍼ではなく、皮膚に軽く当てるだけの『てい鍼(刺さない鍼)』だった。

脳梗塞後遺症に対する鍼治療は、拘縮や麻痺に対する極めて限局的な効果に留まらない。

硬く締まった筋肉を弛めるだけのものではないらしい。

停止していたネットワークを再起動?

或いは、噛み合っていなかったギアがシンクロする瞬間?

未だかつて、後遺症に対する確固たる治療法を提示出来ていない今、鍼灸の効果を掲げても、誰も文句は言うまい。

ただし、これが患者さんを惑わすような怪しいモノになってしまっては困るわけで、あまり大胆な事は言えない。

あくまで、そういう症例もあるということであって、そもそも偶然が重なっただけかもしれない。
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