バセドウ病と鍼灸治療 1 [日記]

半年以上、同意医師の診察を受けていなければ、再同意は無い(こともある)。



精神科に通っている患者さんで、少し前に再同意の確認を行ったところ

「当氏は通院を中止しており、現況は当院通院患者に該当しません事をお報せします」との、返答を頂きました。

同意医師に対する定期受診は、推奨することであり、必要なことでもあります。

中には、定期報告(再同意確認)に対して、とても丁寧な文書で返信して頂けるドクターも居られます。


その患者さんが通院しなくなった理由は、ハッキリとは聞かないようにしますが、まぁ行きたくなくなったんでしょうね。

治療自体はまだ未完のままですから、中止という表現になります。

僕自身、患者さんが来なくなった事もありますから、分からなくもありません。

でもね、患者さんって、来なくなる理由は普通は言いません。

何となくfade-outする感じです。

言い難いですもんね、やっぱり。



で、新たに同意書を発行してくれる医師を探す訳ですが、大体が近所の掛かり付けのお医者さんに書いてもらう訳です。

ま、書いてくれる時もあるし、書いてくれない時もあるし。

それまで効力を持っていた同意書には○○○性頭痛とか○○○筋痛症とかって言う病名が記載してありました。

よくある病名です(6疾患以外ですが)。

その頃は、その病名に順じた鍼治療をして、そこそこの治療効果が見られました。

で、その同意書が使えなくなったので、新たに別の医師に同意書を発行してもらいました。

病名は、神経痛だか頚腕症候群だが、所謂6疾患に該当するものです。

患者さんの症状自体は変わりませんが、病名が少し変わりました。

この場合、病名が変わったからと言って、鍼治療の方法が変わる訳ではありません。

『施術していた部位が、それ以前の部位と同等のものならば、初検料は請求できない』

とかいう事もあります(自治体によるのかな?)。

つまり、記載してある病名自体には大きな意味がないのかも~?

首や肩が痛いという症状に対する診断名、逆に言うと、鍼治療の方法を限定されないということかもしれません。

病名に縛られると、鍼灸の特性は大きく失われますが、これはこれで楽なことです。

治せない症状の方が多くなりますが、画一化できるメリットがあります。



まぁ、そんな事はどうでも良くて、今回の場合は、途中から症状の様相が少し変わってきたことが問題でした。

頭重感と言うのでしょうか、頭が重怠い、締め付けられるような感じ。

筋緊張性頭痛と言っても良いのでしょうが、僕の鍼が下手なのか、どうも効果が思わしくありません。

悪くはならないんですが、期待した通りの効果が出ません。

また触診の段階でも、臨床所見を思うように拾えず、四苦八苦します。

ダメだと思ったら、まず自分の見立てを疑います。

或いは、同意書が全てじゃないって事でもある。



「この2、3か月で、痩せてきたんです」

これが、ヒントだったように思います。

確かに、昔診た時よりも随分痩せたようにみえます。

かと言って、元気が無いわけでもなく、むしろ仕事で忙しいそうにしていました。

ただ、仕事でのトラブルが多く、判断力や注意力に支障が出ていたのかもしれません。

お釣りの返し忘れがあったり、物を無くしたり…、業務の遂行に支障があり、もしかすると解雇されるかも…?ってな状況になっていたぐらいです。

カルテを読み返し既往歴を見れば、バセドウの四文字。

その他の臨床所見は乏しく、半年に一度、専門のクリニックにも掛かっているし、つい2週間前に受診したばかり。

う~ん…どうかな~と思いつつ、患者さんには、それが悪化しているのではないか?というニュアンスで伝えました。





以前(と言っても、駆け出しの雇われの頃)、ある男性患者さんで、頸肩部の凝り感、頭痛、頭重感などを訴える方がおられて、その時は全く見当もつかず、最終的に別の病院で甲状腺の病気が発見されることになりました。

その時は、週に何回も鍼治療を受けに来てくれていたのに、それに報いることが出来なかったという苦い思い出があります。





結果的に、今回の患者さんは血液検査の結果、甲状腺機能が亢進している事が判明し、積極的な治療が開始されました。

正直、出しゃばった真似をしたかな…と思いつつも、後から患者さんに

「病気見つけてくれてありがとう!って先生が言ってたよ」

って、言われた時は正直嬉しかったし、ホッとしています。

ホッとしたのは、患者さんが大事に至らなかったからですけどね。

所謂、掛かりつけ医であっても、その病気の専門家であっても、気付くのが遅れることもあるらしい。

ただ、タイミングとして、たまたま僕のところに機会がやってきただけ…みたいな。



この話には続きがあって、また後ほど~。
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。